(1)剣道を始める理由

剣道を始める理由は様々です。

・体力を付けたい

・礼儀を身に着けたい

・試合に勝たせたい

・我慢強さを身に着けたい

・精神力を強くしたい

・親兄弟で取り組んでいるから

などなどです。しかしながら上記のようなものが身につくのは剣道を始めてからずっと先の話になります。大人になってから「あの時に剣道をやっていてよかったなあ」と思えれば十分というような気の長いことです。

親はそれを焦りがちで、一つ一つのことに一喜一憂します。私の息子は3歳で剣道の道場に通うようになりましたが、本人はもちろん訳がわからず、です。息子がごねて何もしない日には妻が憤慨して帰ってきては「言い過ぎたかな、叱りすぎたかな」と落ち込みます。私は剣道に慣れているので「まだまだ中に入って見ているだけでも十分」と気楽なことも言えますが、やはり親心はそうは簡単にいかず、意見の相違からあわや夫婦喧嘩、ということもしばしばです。ともあれ日々多少は進歩がみられるとうれしいものです「剣道をやらせて良かった」と思います。始めはぼんやりとした動機から入り、あとは本人の意識に任せていくという流れでしょうか。気が付いたら名選手になっているかもしれません。体が弱いという理由で始めたという全国トップレベルの選手もいます。私は母親から「K君(近所の幼馴染)が剣道を始めるが一緒にやるか?」と聞かれたことがきっかけで始めました。神社のお祭りで奉納試合を見たことがあり、興味がありました。一緒に始める友人がいたことも背中を押してくれました。小学校4年生の時のことでした。以来30年近く続いています。もちろん「やめたい」と思ったことも幾度かあります。

剣道を習うと初めに覚えることは「正座」です。
簡潔に言いますと正座は腰を立てて首筋を伸ばし、肩の力は抜きます。次に「礼の仕方」、頭を下げて約3秒で起こし、相手と顔を合わせるところまでが「礼」です。作法通りとなると意外と簡単には出来ないものです。子供たちは、この正座や礼の仕方については楽しそうに取り組むことがほとんどです。この後に教わる「足さばき」「素振り」「打ち込み」「道着・防具着用」「面を着けての稽古」と進んでいくうちに様々な壁にぶつかり、「もうやめたい」ということもあるでしょう。ただし「挫折」でやめるということは少なく、実際にやめる理由の多くは高学年になり「塾との調整」ということになります。

剣道を始める理由は人それぞれではありますが、やめる理由はある程度皆同じような理由で辞めていく場合が多いような気がします。

・高学年になり塾が始まる

・ほかの習い事に移る

・やる気がなくなった

・引っ越しなどやむを得ない理由

大体1年生から始めて4年生まで続いた子は6年生、それ以降まで続けるケースが多いです。できれば試合で成果を出したり、中学生から始まる昇級・段審査までは続けた方が、より人生に役立つものが得られると思います。

 

 

新渡戸文化学園アフタースクール教員 目黒雅也

 

 

新渡戸文化の剣道指導者日記  │ 2020/1/10