今日は、卒園を間近に控えた年長組にとって特別な日。

10月から始まった卒園遠足プロジェクト。

先生が決めるのではなく、すべて子どもたち主体で進めて参りました。

最初に行った場所決めでは、子どもたちの素直な意見を聞くと「ハワイ」「アルゼンチン」などお家の方と旅行で行ったり、サッカーが強い国だったりと様々な思いが出てきました。しかし、実際に卒園遠足を行う時間や料金などを考えると難しいことが判明。「これじゃあ、向こうに着くだけで終わっちゃうよ!」「遊ぶ時間がない!」とたくさんの気づきがありました。そこで、実際に行くとしたらどこがいいか、お家の方にも相談しながら自分なりに調べてプレゼンをし、多数決で決定しました。

しかし、この時期の天候や気温、そして新型コロナウイルスの流行など、子どもたちだけでなく大人にも思いもよらぬ、どうしようもできないことが起こりました。先生から理由を丁寧にお話すると、真剣に聞き「じゃあ、こうしたらいいんじゃない?」「でもそれだと、これができないよ」ときちんと自分の意見を相手に伝わるように、理由を明確にしながら話し合いができるようになりました。

子どもたちの真剣な眼差しと思いが伝わってくるたびに、年長組みんなの心身の成長と頼もしさを大きく感じました。

子ども園で行うこととなり、子どもたちに何をしたいか聞いてみると「おばけやしき!」「レストラン!」という意見が多くでたので、今回は「お化け屋敷の中にいろいろなお店を開こう」ということになりました。

作るお店やグループも子どもたちから意見を聞き、先生がサポートしながら決めております、

そう決まると、何よりも初めに行ったのは衣装作り!すぐに自分のイメージを材料や道具を工夫して選び使い、ドラキュラやお姫様、花屋さんの子は花の模様が描かれた衣装など、それぞれの役になりきりとても楽しそうでした。

 

 

 

また、長時間の年少・年中のお友だちも呼ぶとなると100個以上の品物を作らないといけないと知り、品物作りにも一生懸命。

品物の並べ方や看板、レジなど自分なりに普段行くお店を思い出しながら、各グループのお店を作り上げることができました。

お店が出来上がった後は、楽しみにしていたお昼ご飯。今回は、事前に子どもたちが自分で選んだお弁当を園で用意し、とてもお天気が良かったので園庭で食べることにしました。みんなでこのようにして食べる機会は初めてなので、とても新鮮で思い出に残る昼食となったことでしょう。

 

 

「腹が減っては店ができぬ!」とお腹いっぱいに食べたあとは、いよいよお店屋さんごっこの開始です!

今日は、お化け屋敷をイメージするということで子どもたちの活動が盛り上がればと思い、先生が用意した光るブレスレットを付け、お店屋さんごっこを始めました。

始まるとすぐに「いらっしゃいませ!」と威勢のいい声が響きました。

品物が売れるように各自工夫を凝らし「先にお会計をしてきてください!」「ポイント押しますよ!」「おすすめはこれです!」などスムーズに進むように声をかける子がいれば、お客さんの近くに行って呼び込みをする子など、自分たちで周りを見て役割を決めていることにも感心しました。

最後のグループが来るときには、全ての商品が売れるようにと「タイムセール」と書いた紙を作ったり「4個で100円です!」とまとめ売りをしたりと張り切り、全てのお店が完売になりました。売上金をグループごとに確認、「1万400円も売れた!」と売れたことをとても喜んでいました。

そして、みんなで力を合わせてお店を作り上げたこと、ポイントカードのポイントをすべてためたことのご褒美として、お給食室からクッキーのお土産もいただき笑顔で終えることができました。

 

 

子どもたちと一緒に考え作り上げた卒園遠足。当初の予定とは変わりましたが、それでも子どもたちの合言葉は「ピンチはチャンスに変える!」。

何事も前向きに、どうしようもないことが起きても「どうやったらできるかな?」とみんなで楽しくできるように考える。

そして、もし上手くいかなくても振り返りをし「こうすればよかったんだ」と考え、次に繋げていく。

今回の卒園遠足を通して、子どもたちだけでなく大人も考えさせられることが多くありました。

それと同時に、何事も素直で明るい子どもたちに、堂々と姿を見せられる大人、保育者でなければいけないと感じる行事となりました。

子どもたちの本当に真っすぐで一生懸命な姿、そして心から楽しんでいる笑顔を見ることができ、保育者としてもとても嬉しく感じます。

ぜひ、子どもたちの素敵な思い出の1ページをお家でも聞いてみてくださいね。

(石澤)