2020年3月7日

花冷えの1日とはなりましたが、子どもたちの晴れ晴れしい笑顔がひかる今日、年長組41名の子どもたちが旅立っていきました。

 

今回、猛威を振るっております新型コロナウイルスへの脅威を充分に感じながらも、保護者様そして子どもたちにとって一生に一度しかない卒園式をどうにかやらせてあげたい、その一心で教職員一同〝親心〟で考え、園長が学園と何度も話し合い、工夫に工夫を重ねなんとか実現した卒園式でした。

 

 

もしこれ以上、何かしらの変化がでたら途中で実施できなくなるかもしれないという不安と常に隣り合わせのなか、実施できる・できないではなく、この経験がいつか必ず子どもたちの人生の糧になるはずだと信じ、丁寧にかみ砕きこころをこめて「卒園式とは何か」その意味を伝え続けました。

 

〝なぜ卒園式をするのか〟子どもたちからはじめにでてきた言葉は、「お父さん・お母さんにみてもらうため」でした。そこから年間通して行ってまいりましたプロジェクト型保育で子どもたちと話し合いを行い、共に考えながら「そういえば、年少のとき泣いていたら先生がなぐさめてくれたよね」「そういえば、喧嘩したとき一緒にどうしたらいいか考えてくれた友だちもいたよね」と見てもらうのではなく、その成長を感じてもらうために。その成長した姿が人に感動を与え、それが手紙や言葉と同じようにお礼を伝える方法になることをお話しました。意味を理解した瞬間、子どもたちの目が変わりました。

 

そして当日、お父さん・お母さんはもちろん友だち、先生〝お世話になったすべての人にありがとうを伝えるために〟子どもたちと式に参列しようと約束しました。

 

意味をしっかりと落とし込んだ卒園式。

1回目の練習から1度も保育者から注意をしたことはありませんでした。礼儀を重んじる日本ですので、証書のもらい方や歩き方についてはもちろん教えましたが、そのあとは「感謝の気持ちを伝えるためにどうしたらいいか考えてね、みんなならできるって先生は信じているよ」と一言伝えました。

 

そして本番、1人1人がその意味を考え取り組んでくれたことが子どもたちのまっすぐとした眼差しから感じられ、保育者としても年少組・ぱんだ組からの成長を感じその感動で、名前を呼ぶ声が何度もつまりそうになりました。

 

卒園児からの感謝の歌では、例年からがらっと雰囲気を変え、年間通して親しんでいたパプリカを選び、サプライズで子どもたちから保護者様へ花束をプレゼントすることにしました。何事も前向きに大変なときこそ保育者が驚くような底力をみせてくれる今年の年長組、これからも未来に希望をもって、迷いなくそれぞれの夢へと進んでいってほしいという願いをこめて、「希望」「常に前進」という花言葉をもつガーベラを選びました。

実はこの花束、お花屋さんと相談し集めた4色の中から子どもたち1人1人が色を選びました。「サプライズで驚かせたいからわからないように、こっそり好きな色きいてきてね?」と声をかけておりましたので、お家で聞かれた保護者様もいたのではないでしょうか?

 

    

そして、ここで教職員にも園長先生からサプライズ。

なんと今まで担任をもちました教職員に子どもたちから花束のプレゼントがありました。お忙しい時間をぬって、子どもたちと先生を喜ばせようと準備してくださっていたとのこと驚きです。緊張で忘れてしまった子どもたちもおりましたが、そんなところも可愛らしい裏話となりました。

 

そして最後は子どもたちにもサプライズ!保護者様から感謝の歌「いのちのうた」

そのきれいな歌声に涙を流す子どももいた感動の瞬間でした。歌の中にはお父様方の声も聞こえ、そのご協力に保育者としても頭がさがる思いでした。お忙しい中、ご協力いただきありがとうございました。

 

 

そして最後はさよならトンネルを通ってさよならです。

このような状況ですので、お別れは短くスムーズな降園をかねてよりお願いをしておりましたので、各クラス前日にお別れを済ませておりました。特にゆり組は前日、みんなで泣きすぎて降園できなくなるほど泣いておりましたので心配しておりましたが、きちんと心の切り替えができたようで、別れ際の顔は晴れやかでした。そして何より、ご協力いただきスムーズに降園くださる保護者様の後ろ姿に〝心がつながったんだな〟と大きな感動があり、その姿にまた涙がこみあげてきました。

 

 

今回、コロナウイルスに負けることなく、卒園式を無事滞りなく執り行うことができたのは年長組保護者の皆様のご協力のおかげだと心より感謝しております。手指の消毒・マスクの着用・スムーズな降園、そして度重なる変更にも関わらず園運営にご理解、ご協力いただきまして誠にありがとうございました。

 

最後になりましたが、今回卒園式を催すために学園と何度も話し合いを重ねていただきました園長、並びに学園の皆様にも心より感謝いたします。〝ピンチはチャンス〟に変えた大人の背中をみて、子どもたちはこれからも強く優しく、たくましく育っていくことだろうと信じております。これからも子どもたち、そして保護者様のご活躍を心より応援しております。

 

年長組さん、卒園おめでとう。子ども園での生活はどうでしたか?

先生たちはみんなと過ごせて、とても楽しかったです。たくさんの幸せな思い出をありがとう。

4月からはいよいよ小学生ですね。小学生になってもいつでも子ども園に帰ってきてね。

成長したみんなに会えることを楽しみに先生たちはいつでもここで待っています。(年長組担任 三井・西村)